2006年01月24日

ALICE 4

あー・・・なんか予定よりも長くなりそうな悪寒。
もうどうなるんだか自分でもドキドキです。
スネークvsB/Bとか書けるんだろうか・・・

///////////////////////////////

2006/01/24 書き始め
2006/01/28 書き終わり

///////////////////////////////
   
4. 出発

 開け放したハッチから眼下の施設を見下ろす。
 外は都合よくも嵐。
 時折サーチライトが海面を照らし、警戒に当たっているが嵐のおかげで自分たちの存在には気づかれていないようである。
 研究所の裏手にはうっそうと生い茂る原生林がある。
 着地ポイントを原生林の中に決め、スネークは振り返ってオタコンを見た。
「・・・行ってくる」
「ああ、スネーク・・・Good Luck」
 オタコンのその言葉を背に、スネークはハッチから身を躍らせた。
「ほっほにゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
 ヒトダマの絶叫とともに。

 森があっという間に目前に迫ってくる。
 木を避け、身をよじらせたところで降下の際に腰につけたワイヤがピン、と伸びきった振動が全身に伝わる。
 その瞬間に安全装置を解除、ワイヤを切断。
 ふっと体が軽くなり、それと同時に態勢が崩れたのをスネークは宙返りで補正した。
 二度、三度回転した直後、地面に足を付け、全身を低く落として衝撃を吸収する。
「―――っ!」
 低いうめき声をあげたものの全身にかかったGをこらえ、一息つく。
 ―――と。
「ほぎゃっ!!」
 びたん、という効果音とともにヒトダマがスネークの横に墜落した。
「いたたたた・・・」
 まともに強打した鼻をさすりながら、ヒトダマが浮かび上がる。
「ああん固体さんひどいですぅ、尻尾もこんなに伸びちゃったじゃないですかぁ」
 そう言いながら縛り付けられた無限バンダナをほどくヒトダマの尻尾が20cm近く伸びている。
「お前が鼻血を噴かなければちゃんと連れてやったんだがな」
 立ち上がり、スネークは周りを見回した。
 暗い森の向こうに研究所のシルエットがぼんやりと浮かんでいる。
 あの中にいったいどのようなメタルギアが隠されているのか。
「ヒトダマ、とりあえずSOCOMを出してくれ」
「はい〜」
 スネークに頼まれたヒトダマが全身をゆさゆさ揺すぶり、それからんべっと頼まれた品を吐き出す。
 銃を拾い上げ、弾数を確認したスネークが「行くぞ」と声をかける。
「何が出るか分からんからな・・・気をつけろよ」
「はい〜」
 自分の分のM4を取り出して構えたのを見て、一抹の不安を胸に、スネークは走り出した。

 数分で裏口らしき扉の前に到着し、スネークがキーピックを取り出す。
 鍵穴にピックを差し込み、開錠すること数分。
 かちりという音とともに、ゆっくりと扉が開く。
 ヒトダマを促して異常がないことを確認し、音もなく中に身を滑らせる。
 薄暗い廊下。
 監視カメラの類がないことを確認しながらゆっくりと先へ進む。
 しんと静まり返った廊下にスネークの足音だけが響く。
「・・・静かだな」
「・・・静かですねぇ」
 警戒だけは怠らずに歩き続ける。
 だがこの不安と嫌な予感は何なのだろうか。
 新型メタルギアに対する恐怖だとでも言うのか。
 分からない。
 対峙してみるまでは。

◆◇◆  ◆◇◆


 雨の中甲板に立ち、鎖神―――B/Bが遠くに見える研究所の影を見る。
「大丈夫なのか?」
 B/Bの隣に立ったGeneが心配そうにたずねる。
「心配しすぎ。ただの情報収集だよ、心配することもない」
 それに君たちがバックアップしてくれる、と続けたとき、スタッフの一人が「潜入ポイントに到着しました」と告知してくる。
「・・・じゃ、行ってくるよ」
「ああ、B/B・・・気をつけてな」
「何かあったらすぐに無線連絡しなさいよ」
 GeneとEveの言葉を背に、B/Bは海に飛び込んだ。

 島までの数キロを泳ぐ間、B/Bは今回の任務について考えていた。
 とある研究所に潜入し、そこで開発されている兵器の情報収集。
 潜入するということだからHell-C傘下の研究所ではないことは確かである。
 だとすればARの研究施設か。
 しかし表向きは孤島の刑務所、という時点でそれも違うような気がする。
 刑務所、ということを考えたら政府の研究施設か。
 組織の末端にいる自分には全く関係のないことだが、気になって仕方がない。
 研究所がどこの所属であるかということだけではない。
 開発されている兵器の詳細も。
 仮に政府が絡んでいるのだとすれば新たな対空防衛設備なのだろうか。
 それとも細菌兵器なのか。
 それすらも知らされていない。
 これが、通常ルートで舞い込んできた任務であったならば、まず大雑把なディティールを調査することからはじめただろう。
 そうでなければ対処のしようがない。
 対空防衛設備の研究所を攻略するのに対細菌兵器の装備で挑んでも仕方がない。
 逆に対空防衛設備だと予測して潜入した先が細菌兵器の開発研究所だった場合危険すぎる。
 だから、防弾、耐熱、耐衝撃性能を向上させたこのスニーキング・スーツを100%信じることもできなかった。
 最悪、核兵器の開発が行われていた場合、このスニーキング・スーツでは何の役にも立たない。
 研究所に到着したらまず一番近くの端末にアクセスしてディティールだけでも調べなくては、と思ったとき、B/Bの目の前に険しい岸壁が姿を現した。
 素早く潜水装備を破棄し、岩の出っ張りに手をかける。
 すぐに次の手がかりを探り、崖を上り始める。
 Hell-Cに参加して9年近くになるが、さすがのB/Bも雨の中でのフリークライミングの経験はなかった。
 落ちたらどうするんだよという悪態は心の中だけで留めておき、黙々と崖を上る。
 暫く上ると、目の前に鉄条網入りのフェンスが現れた。
 慣れた動作でフェンスを登り、フェンスの上の鉄条網を飛び越え、敷地内に着地する。
「こちらB/B。今、敷地内に到着した」
 回線を開き、そう報告する。
 わずかな沈黙の後、かすかなノイズとともに応答が返ってくる。
《こちらEve。心拍数、呼吸、血圧ともに異常なし・・・大丈夫?》
「余裕だよ。これくらいのことなら慣れている」
 けど、海からの潜入なんて本部も無茶言うよなぁと続けてぼやくB/B。
「空からの潜入は考えてなかったの?」
《それですが・・・》
 会話に割り込んできたのはRain。
《先ほどから研究所上空を所属不明のヘリが飛行していたとの連絡が入っています。それに設備を考えたら海からの潜入しか無理だったかと》
「・・・ヘリ?」
 怪訝そうにB/Bがそう言った瞬間、彼の頭上をヘリコプターが通り過ぎていった・・・ような気がした。
「・・・?!」
 咄嗟に上空を見上げるB/B。
 しかし、夜間ということと悪天候ということが重なって何も見えない。
(・・・考えすぎか)
「まあいい、俺は任務を続行する」
《分かりました。また何か分かりましたら連絡します》
 その言葉とともに、回線が閉じられる。
 もしかすると警備の巡回だったかもしれない。
(けど・・・まさか・・・他にも侵入者があるとか?)
 暗く、人目につかないところを小走りで駆け抜け裏口を目指しながら、B/Bはふとそう考えた。
 考えられない。
 裏口に到達してキーピックを取り出し、鍵穴に差し込む。
 ―――と、その手が止まった。
 怪訝そうにピックを引き抜き、ペンライトを取り出す。
 鍵穴の中を照らすと、中に引っかいたような傷、それもついさっきできたかのような新しいものが見える。
 まさか、とB/Bは回線を開いた。
《どうしましたか?》
「Rain、さっき飛んでたらしいヘリを調べて。大至急」
《はい。しかしどうして急に?》
 怪訝そうなRainの言葉に、B/Bはもしかすると、と応えた。
「俺以外に侵入者がいるかもしれない」
《な、なんだって?!》
 予測していたことだが、Geneが回線に割り込んでくる。
「裏口が開いていた。見たらピッキングの形跡がある」
《本当か?》
「冗談でこんな通信するわけないじゃない」
 しかし、そんなことは考えられない。いや考えたくない。
 いくら今夜が月のない嵐の夜だとしても自分以外でこの施設の研究内容を狙っている者がいるのだろうか。
(・・・ARか?)
 AR、すなわちAngel's Ringが同じ研究を狙っているということは考えられないこともない。
 だがここまで日程が重なるものだろうか。
 最悪、ARの人間と戦うことになるかもしれない。
 負ける気はないが、なんとなく不安もある。
《了解しました。航空管制局のデータなども洗ってみます》
「頼むよ」
 それだけを返し、B/Bはドアに手をかけた。
 音もなくドアが開き、隙間から体を入れる。
 そのまま暫く様子を伺い、怪しい気配がないと判断してから歩き出す。
(いったい誰が・・・)
 一抹の不安を胸に。

///////////////////////////////////

さて、VPサイドも「侵入者がいる?」というところまで。
ああ、次の話はどうなるんだろう・・・


【関連する記事】
posted by 日向 夏樹 at 19:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ALICE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。