2014年07月01日

蒼天に舞う希望 13(終)

さて、長らく続いた「蒼天に舞う希望」もようやく終わりです。
長かった・・・

空戦描写がなかなかリアルにならなくて悩んだりもしましたが、書けてよかったです。

暫くはえすこん(04 or INF)がらみが続くかもしれませんが、そちらはそちらでお付き合いいただければ、と。

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2014/07/01 UP

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 雲一つない青空。
 4機は編隊を組みつつも自由に空を駆けていた。
《いい天気だな》
 天辻からの無線が入る。
 そうだね、と鎖神。
「そういえば、覚えてる?司令官が言ってた言葉」
《どの言葉だ?色々あって候補が絞れん》
 遠くに見えるのは味方のイーグル。
 制空権は完全にこちらのものなので敵の侵入は考えられないが、万が一のことを考えてAWACSとイーグル数機も待機している。
「『君たちは我々にとって蒼天に舞う希望だった』‥‥本当に、俺たちは希望になれたんだろうか」
《蒼天に舞う希望、ね‥‥》
 完全に拮抗状態だった戦況を、自分たちは好転させた。
 一部の隊員には「空飛ぶ制空権」だの「猛禽類を従えた死神」だのと噂され、死神のエンブレムは味方の士気を上げるのに十分な役割を果たしていた。
 そんな「希望」に自分たちはなれたのか。
 広がる大地と空を見ながら、4人はそんなことを考えていた。
 地上には国境がある。
 国境が、そして地上の人々の価値観の違いが、争いを生み出す。
 空に国境はあるのだろうか。
 空は自由だ。
 それ故に、人は空に憧れるのだろう。
 空に憧れを抱き、やがて人は翼を得た。
 それは同時に地上の争いを空に持ち込むことにもつながった。
 その空で、自分たちは希望になった。
 争いの中での希望だったが、この内戦を終わらせることができるかもしれないという希望でもあった。
 自分たちはこの内戦の終結を見届けることはない。
 だが、内戦を終わらせる一端になれたというのならそれはそれでよかったということだろう。
《鎖神、》
 天辻が呼び掛けてくる。
《俺たちはただ絶望を与える存在じゃない、ってことだろ?誰かの希望になることができるんだ》
《そうよ。私たちはただ絶望を振りまく存在、じゃないわよ》
 普段の任務もそうだろう。
 敵に絶望を与えるが、その反面希望を持つ存在もいるはず。
 ただただ絶望を振りまくわけではない。
「‥‥そうだね」
《まああれだ、深く考えすぎるなってことだ》
 希望になることができた、それだけでいい。
 いつか必ず、その希望が役に立つ。
 そう信じることが、今の自分にできることだった。
《この空に希望を残せたことを誇りに思おうじゃねーか。その希望が、ここの内戦を終わらせると信じてさ》
 はじめは空に、希望は望んでいなかった。
 望んでいなかったが、希望になることができた。
 そして、この空に希望があるのではないかと思うようになった。
 この広い空を舞う、希望のカケラ。
 これがあるから人は空に憧れるのかと理解した。
 広く限りのない青空。
 もう見ることがないだろうラプターのコクピットからの景色に、4人は心奪われた。

 基地に戻り、機体から降りる。
 その梯子にそっと手をかけ、鎖神は今降りてきたばかりのコクピットを見上げた。
 短い間だったが、共に戦ってきた相棒である。
 別れは惜しかった。
 しかし、後任に託さなければいけない。
「‥‥ありがとう」
 誰にも聞こえない声でそっと語り掛け、鎖神は踵を返した。

 それは公式な記録に残されなかった「Hades」の物語の一つ。
 蒼天に希望を残し、この物語は幕を下ろす。

―――Fin.


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終わったああああ・・・
今のところ書きたいネタはオメガ11の本名ネタだけになったか。
他にもいろいろ書きかけはあるけどね。

次回からはまたえすこんがらみになるかと。


posted by 日向 夏樹 at 21:07| Comment(0) | 蒼天に舞う希望 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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