2014年07月17日

閉ざされた絶望 7(R-18:腐向け表現あり)

前々回がエロシーン(一部カット)で、前回がカイトさんの爆弾発言?で発覚。
今回は・・・

空戦です!

結構いろいろ盛り込んでるよ、「閉ざされた絶望」は!

しかし何が「閉ざされた」なのか。

先の見えない絶望なのか、はたまた封印された絶望なのか。
その解釈は、読み手の皆様にお任せします。

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2014/07/17 UP

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 翌日、インフィニティがスタグナントスラブに配属されてから何度目かのスクランブルがかかる。
 空に上がれる全ての機が発艦し、迎撃態勢に入る。
 管制から攻撃命令が発令され、散開する。
「インフィニティ、今日も頼むぜ」
 ナイトメアが悪魔の笑みを浮かべてそう声をかける。
 今日も、というのはこの戦闘が終わったらまた楽しもう、という意味だということは分かっていた。
 だが、もうこれ以上ナイトメアの好きにはさせられない。
《メビウス3、無茶はするなよ》
 エーヴィヒカイトから無線が入り、大丈夫だ、とインフィニティが返す。
 飛び交うミサイルを潜り抜け、敵機を撃墜する。
 しかしその飛び方はいつもとは違った。
 いつもはもっと慎重に飛ぶ。それなのに今日は無茶な飛び方をする。
 それはエーヴィヒカイトも、メビウス1も気付いていた。
《メビウス3!そんな飛び方をしていたら死ぬぞ!》
 メビウス1が罵声を飛ばす。
 ナイトメアも、むしろ自棄になって飛んでいるようなインフィニティの操縦に一瞬、不安を覚える。
 まさか、インフィニティは自らの死を望んでいるのか。
 それで、こんな無茶な飛び方をするのか。
 そう思った矢先、ミサイルアラートが響く。
 いつものようにシザーズで切り返すインフィニティ。
 ミサイルを振り切った、と思ったらまたすぐに次のミサイルが二人を狙う。
 どうやら、敵は無茶な飛び方をするメビウス隊3番機をひよっこ、と解釈し集中攻撃しようと考えたのだろう。
 これはまずい、とナイトメアが判断し、インフィニティに指示を出す。
 その通りにミサイルを振り切ったが、二人の機体の後ろに敵がぴったりと張り付いている。
 F-4EとSu-27。こちらの不利は目に見えている。
 何度も切り返し、あの手この手で振り切る、もしくは後ろを取ろうとするが相手はかなりの熟練パイロットのようで簡単に後ろは取らせてくれない。
 どうする、とインフィニティは考えた。
 手はないわけではない。ただ、それを実行するのはかなりのリスクを伴う。
 だが、考えたのは一瞬だった。
 同時に、その作戦に全てを賭ける。
 左手のスロットルを引き、エンジン出力を落とす。
 急激に機体が減速し、一瞬、Su-27との距離が縮まる。
「オーバーシュートを狙う気か!?」
 後ろでナイトメアが叫ぶ。
 オーバーシュート。急減速した目の前の機体をうっかり追い越し、敵に後ろを譲るというパイロットとしては避けたい現象。
 だが相手もこちらのエアブレーキの動きでそれを察知したかきっちり減速している。
 それでもインフィニティは減速し続けた。
 対気速度を計算、失速寸前まで減速し、彼は操縦桿を引き、それと共に左に倒す。
 その瞬間、コクピット内に失速警報が鳴り響く。
 さらにコントロールを失った機体は倒した操縦桿と逆の方向―――右に回転し、高度を落とす。
「―――ぐっ!」
 何の前触れもなくその機動にナイトメアが振り回される。
 激しいGが首に掛かり、彼は自分の首が嫌な音を立てるのを聞いた。
「インフィニティ、お前‥‥」
 それ以上、言葉が出ない。
 激痛に、意識が遠のいていった。
 インフィニティはというと、そのままでは海水浴になると理解していたためすぐにエンジン出力を上げ、操縦桿と格闘し、失速状態からリカバリーする。
 後ろでナイトメアが何が言ったようだがすぐに沈黙が訪れ、失神したのだと判断する。
 敵はというと、どうやら今のF-4Eの機動で自分たちを見失ったらしく、前方を飛んでいる。
 すかさずインフィニティはミサイルをリリース、これを撃墜する。
《インフィニティ!》
 エーヴィヒカイトの声が聞こえる。
《無事か!?》
 ああ、とインフィニティが頷く。
《ナイトメアは!?》
「意識を失ったようだ」
 冷静なインフィニティの言葉。
 その言葉に、一瞬嫌な予感を覚える。
 それを追求したかったが今は戦闘中、余計なことに気をかけている暇はない。
《メビウス3、後席なしでやれるか?》
「やるしかないだろう」
 インフィニティとエーヴィヒカイトの会話を聞いていたメビウス1が確認し、インフィニティも応える。
 そのまま、暫く戦闘が続いたがやがて敵も燃料がビンゴになったか撤退を始める。
 ほっとした空気が流れ、生き残った機が帰還を始める。
 メビウス隊も編隊を組み、スタグナントスラブに向かう。
《インフィニティ、》
 メビウス1が声をかけてくる。
《ナイトメアは―――》
「さっきのアドバースヨーの負担が大きかったのだろう」
 静まり返った後席に、インフィニティが若干不安と期待の入り混じった声で応える。
《アドバースヨーは機体にもパイロットにも大きな負担がかかる。ストール(失速)することでエンジンもダメージを受けているはずだ。無茶したな、インフィニティ》
 アドバースヨー、それはF-4シリーズで発生する現象。
 機体が不安定な状態の時、低速時にエルロンロールを行おうとすると逆方向に旋回してしまう、予測しなかった方向への旋回となるため、パイロットがパニックを起こし、果ては墜落につながることもある。
 それを「敢えて」実行したのだとメビウス1もエーヴィヒカイトも気付いていた。
 ナイトメアも後席とはいえファントムライダー(F-4パイロット)、これは知っていたはず。
 それなのに失神したということはまさかインフィニティが意図的にそれを起こすとは思っていなかったからだろう。
 スタグナントスラブに帰還し、メディカルスタッフが意識を失ったままのナイトメアを降ろし医務に運んでいくのを見届け、インフィニティはブリーフィングルームに向かった。

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アドバースヨーに関しては色々調べました。
おじいちゃんの特性らしいと聞いた。

んでもってナイトメア・・・

さて、どうなるかねぇ・・・


posted by 日向 夏樹 at 00:21| Comment(0) | 閉ざされた絶望(AC04二次:R-18) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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